埋伏智歯(親不知)を2本抜いたお話

新型コロナウイルスで世間は様々な場面で痛手を負ってますが、抜歯でそれどころではないPG_MANAです。
今回は親知らずを春休みを利用して抜いてきたのでそれの記録をしておきます。
書いて需要があるかはわかんないですが、この雑記は自分でも見返すので後々「あ〜あのときはすごかったなぁ」と振り返るために書いておきます。
これから親不知を抜く人や暇潰しをしたい方に読んでいただければと思います。

抜歯の理由

自分の親不知は、上下4本すべて完全に埋まっていて(完全埋伏歯というらしいです)、レントゲンを見ると見事に斜めになって埋まっています。この内下二本は内側を向いており歯並びに悪影響を及ぼし噛み合わせが悪くなることから、かかりつけ歯科医の先生から大学生での抜歯を勧められていました。抜歯手術と聞いて気が進みませんでしたが、噛み合わせが悪くなって頭痛に悩ませられるのも嫌なので長期休暇を利用して抜くことにしました。
完全に埋伏歯の手術は高度な技術が必要らしく、かかりつけ医の先生では時間がかかってしまうとのことでしたので、別の病院で抜くことになりました。

1本目抜歯当日

さて1本目抜く日が来てしまいました。
朝から「嫌だなぁ〜嫌だなぁ」と言いつつも病院まで自転車で移動しました。
診察が始まり紹介状を渡してレントゲンを撮った後、すぐさま手術が始まりました。
数回麻酔を打たれるんですが、だんだん奥歯の根本に鈍痛が来てその後痺れてきます。
麻酔が効くまで10分位待たされるんですがそれがまた地獄で、いらぬ予想を膨らませて冷や汗が止まらなくなっていきます。
待たされた後、「では始めます〜」と言われて口の中にメスが入ります。歯肉を切るのでメスを使うのは至極当然なのですが、生まれてこのかた口の中にメスを入れるなんて想像もしたことがなかった自分は早くも顔面蒼白。歯肉が開かれエアタービン(キュイーンとなるやつ)を使って親不知を削ります。その後リムービングドライバと呼ばれるマイナスドライバ状の器具で歯を割っていくと言われたんですがこれが一番の地獄でして、ガッツガッツ顎を突かれるので顎が疲弊するわ、「メリメリメリ…パキッ」という口の中で聞きたくない音が顎を伝って直接耳に届くわ、涎が溜まって舌を動かしたくなるがドライバで間違って刺されたらひとたまりもないと思い必死に我慢するわ、とにかく耐える時間が続きました。おかげで背中は汗でびっしょりになりました。時々口から何かを取り出す度に「これで終わりか?」と期待しては再びドライバが入って目をつぶって耐えるを繰り返した後、縫合が行われて終了しました。わずか30分で終了したようです。ガーゼを噛んで圧迫止血した後会計を済ませて(治療費は6000円)病院を後にして薬局で抗生剤と解熱鎮痛剤(ロキソニン)をもらって帰りました。夜までは麻酔が効いてましたが徐々に切れたので鎮痛剤を飲んで寝ました。

抜歯1日後

抜歯の後は腫れると聞いていましたが、大して腫れずに痛みも口内炎のような痛みで鎮痛剤でどうにかなるレベル。口も炎症があって大きくは開きませんが噛むことはできる程度。
「なんとかなりそうだし、柔らかいものなら食べよう」と焼きそばや煮魚を平らげて実家の作業を手伝ってました、後の苦しむとは知らずに…

抜歯2,3日後

朝起きて鎮痛剤を飲んで昼に鎮痛剤が切れた頃から痛みの種類が変わってることに気づきます。口内炎のような広く痛いのではなく、穴が空いた部分がクリティカルに痛い神経痛に変わり激痛になって襲いかかってきます。鋭い痛みは頭痛をも誘って頭と顎を抱えながら寝込む羽目に…鎮痛剤は最低でも6時間開けないといけないので痛みに耐えて時間が経ったら即座に鎮痛剤を飲むを繰り返す日々になり食欲も失せてしまいました。夜中に鎮痛剤が切れて「イッテェェ」と叫びながら起きて鎮痛剤を飲んで効果が出るまで30分程度顎を押さえて耐え、効果が出てきて耐えられる程度に収まり穏やかな眠りについたのもつかの間、4時間しか持たず激痛に叩き起こされ寝不足になりました。それでも段々痛みが引いてきて3日後の昼には耐えられる程度になっていきました、が…

抜歯4〜7日後

今度は抜歯傷付近から非常に不味い汁(アルカリ性だと判断)が出てきて口の中を襲います。
おまけに口の中から強烈な腐敗臭がして、周囲からもしかめっ面をされるのでマスクを室内でも着用するようになりました。
最初は麻酔が打たれた部分が化膿したのかと思いましたがそのような雰囲気でもないので謎の苦汁に苦しむ羽目に…痛みは完全に引かないので唾液が出てそれが苦くなり舌がしびれるような感覚に苦しみそれを中和をしようと余計に唾液が出てまた苦くなるの悪循環に陥り鼻水まで垂らして苦しみました。アルカリ性なら中和すればいいとレモン飲料や梅干しを舐めるなど涙ぐましい努力で耐え抜きました。
後にかかりつけ医の先生に「食べかすが親不知周辺の歯にくっついて腐敗したんですよ」と教えてもらいました。激痛で親不知周辺を触らないように、磨かないようにしていたのと抜歯後調子に乗って色々食べたのが仇になっていたようです。
苦汁を舐め続けて舌も痺れて、おまけに急に肩と顎が凝ってガクガクと震えるので湿布を貼って寝るなどいろいろ辛くて、ろくに思考もまとまらなくなりチマチマGoogle App Engineをいじる程度しかできなくなりました。

抜歯8〜12日後

苦汁は相変わらず出続けご飯も美味しく食べられない日々ですが段々とくさやのような匂いになり味も魚の乳酸発酵したような味になり不味いことに変わらないのですが多少耐えられるようになりました。痛みも大分引いてきて鎮痛剤は手放せないですが気にならない程度になりました。しかしながら炎症は引いてないようで倦怠感に襲われ眠気が取れず午前中は寝ながらボォ〜とコロナショックで乱高下する株価を見て、午後になってApp Engine移行作業をする日々が続きました。眠気も普段より早く来て11:00までは眠りについてることが多くなりました。それでも段々と回復してそろそろ本調子と行こうとした時にその時は来るのです…

2本目抜歯当日

「嫌だなぁ」と思えどその時は来るのです。
診察台によだれかけをつけられて寝かされ、先生が来るのを待ってると前回と違う先生が登場し「抜歯後の調子はどうですか?」と訊かれて、「きつかったです…」と疲れた顔で答えました。抜歯時の縫合糸は本来一週間後に抜いてもらうのですが、今回は抜歯と同時にしてもらおうと「あっ、『バッシ』(抜糸)を先にお願いできますか?」「『バッシ』(抜歯)を先にですね、わかりました〜麻酔しますね〜」「あっ、ごめんなさい、糸の方です」「糸の方ですね、失礼しました」というやり取りもしながら抜糸・麻酔・歯肉切開と進んでいきます。現在の状況を親切に説明してくださり、智歯を砕いて割ってそれから引っこ抜くみたいなのですが、そこで例のマイナスドライバが出てくるわけでてきます。智歯が大きくなかなか割れないため何回も突いている時に勢い余って歯茎に刺さりそうになりながら「アッすみません」と言われて冷や汗をながすなどしているうちに糸で縫って終了。今回も30分程度で終わり、また薬をもらって家に帰りました。前回と違いもう抜かなくて良いという気の軽さはありましたが、明日から苦しまないといけないという暗い気持ちは残りました。

2本目抜歯1日後

朝起きたら頬が腫れてました。
明らかに一本目よりも酷く腫れており周りも見てわかる程度です。
一方で神経痛や口内炎のような痛みがなくただ頬が腫れてそれによる熱を持った痛みがあるだけで鎮痛剤がなくても耐えられる程度でした。しかしこの後が怖いので服用しておきました。
前回の反省を踏まえ食事は栄養ゼリーと野菜ジュースという普段なら絶対食べない、噛まなくていい加工食品のみで直接胃に流し込みます。
倦怠感は相変わらず発生しますが、痛みがないだけマシかなと思いながらこたつで寝るなどしていました。

2本目抜歯2日後

朝起きたら頬がパンパンに腫れてました。それはもう輪郭がわからなくなるほどでおたふく状態です。朝から微熱があり布団で横になっていたところ、親が緊急外来に駆け込むという事態が発生しまして、朝からドタバタしました。命には別状はないもののやはり焦るものでアドレナリンが出て体調不良なんて強制的になかったことにされ発熱も倦怠感もなくなりキビキビ動けました。鎮痛剤より遥かに効くアドレナリン…
午後に無事に帰宅できたわけですが、その日はわけのわからない体調が続きました。
アドレナリンの影響で体はエネルギーに満ち溢れてるしキビキビ動くけど発熱で頭がボォーとして倦怠感はひどいという寝てようか作業しようか悩ましい状況になりました。
とはいえ作業しても仕方ないので寝ました。
食事は相変わらず栄養ゼリーで凍らせて晴れた頬に当てて解かして飲んでました。

2本目抜歯3,4日後

更に頬が腫れ熱も38.1℃も出て汗をダラダラ流しながら布団で寝続ける日々を送りました。
と言っても3日目午前中は発熱していることにも気づかず家の作業を手伝っていたのですが、途中から強い倦怠感に襲われて寝ました。
痛みが我慢できるからという理由で服用を止めていたロキソニンですが、鎮痛目的でなく解熱目的で使用することに。
腫れは首にまで及び呼吸しにくいこともあり、腫れの中にはとても硬い部分もありました。
頬の腫れにより何かを噛むと必ず口の中の皮まで噛んでしまうため、ヨーグルトや栄養ゼリーしか食べれなくなり、さらに口を開けようとすると頬が攣るという人生初めての経験をするはめに…
食べては寝るを繰り返し耐えました。

2本目抜歯5,6日後

腫れも引いてきて、長かったお布団生活も終わり起き上がって作業できるようになりました。
倦怠感はありますが、数日前とは比べ物にならないほどに改善しました。
口も徐々に開くようになりましたが、こちらはまだ時間がかかるようです。

2本目抜歯7日後

この日にかかりつけ医の先生に抜糸してもらい今回の件で病院行くのは最後となりました。
最初に抜いた方は段々と元通りになっていっており、後一週間たてば2本目もほぼいつもどおりに使えるようになるとのことです。
たまに神経痛がする程度で腫れも9割方なくなりました。

感想

抜歯で一ヶ月近く四苦八苦にしたわけですが、新型コロナウイルスでイベントも全滅していたので生活面での悪影響はプログラムがかけなかったくらいです(頭が回らないのでコードがかけない、かけないと何もしてないという感覚が精神を蝕むという悪影響)。
通常の抜歯より遥かにきつかった埋伏智歯抜歯ですが、無事に後遺症に悩まされることもなく治りそうなので良かったです。
今後抜く予定の人は以下のことに気をつけたら良いと思います。

  • 抜歯1日後に食事ができると判断した場合でも肉類は食べない(抜歯部分は歯磨きができないため、そこについて腐ってしまう)
  • 抜歯前に噛まずに食べられるゼリーなどをかっておく(場合によっては全く噛むことができなくなります)
  • 液体歯磨きを口に含んで数分待って吐き出すをすると腐敗臭が減る
  • 痛くなくても抜歯後数日間は処方された解熱鎮痛剤は飲む

投稿者: PG_MANA

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