旅先や出先で大活躍のLTEモジュール付きノートパソコンですが、妙に電波のつかみが悪いので更に調査していたところ別の方法で認識させることができたので記録しておきます。
環境
- MousePro-NB510HL
- openSUSE Tumbleweed
- KDE Plasma Desktop
注意
前回の方法(MouseProのLTEモジュール(Telit LN940)をLinuxで使う)をすでに適用されている場合は一旦取り消して再起動してください。
具体的には以下のコマンドを実行してください。
sudo rm /etc/udev/rules.d/15-lte.rules
sudo systemctl disable wwan-sleep-hook
sudo rm /etc/systemd/system/wwan-sleep-hook.service
また今回の方法はモジュールのファームウェアの設定を変更します。そのため場合によってはモジュールが動作不能になる恐れがあります。以下の内容は全て自己責任で行ってください。
手順
まずはlibqmiやmodemmanagerをインストールします。
ModemManagerは起動させずに停止させたままにします。
(sudo systemctl stop ModemManager
)
次に/dev/ttyUSB2に接続します。(screenコマンドがない場合はインストールしてください)
sudo screen /dev/ttyUSB2 115200
接続したらATE1と入力し改行します。(アルファベットは大文字で)、リターンキーを押すまでエコーバックはないのでお気をつけください。この作業でエコーバックを有効にします。成功すればOKと返ってきます。
(ATE1と入力し改行)
OK
次にATIと入力し改行してみます。成功すれば各情報とOKが返ってきます。(改行)はリターンキーのことを指します。
ATI(改行)
Manufacturer: QUALCOMM INCORPORATED
Model: 4105
Revision: (ファームウェアのリビジョン番号)
+GCAP: +CGSM
OK
モデルが4105であることを確認し次の作業に進みます。AT^SETMODE?
で現在のファームウェアの状態を確認します。成功すれば現在のファームウェアのモードとOKが返ってきます。マニュアルによれば0がNormal Mode、1がExtension Mode、2がLegacy Modeだそうです。
AT^SETMODE?(改行)
^SETMODE: 0
OK
次にモードを1(Extension Mode)に変更します。AT^SETMODE=1
でモードを変更します。成功すればOKが返ってきます。
AT^SETMODE=1
OK
ここまで来たらCtrl+a, k, yの順に入力しscreenを終了し、最後に再起動します。
再起動後ModemManagerを起動するとKDEのネットワーク設定でLTEモジュールを認識していることを確認します。
あとはMouseProのLTEモジュール(Telit LN940)をLinuxで使うを参考にKDEの設定を行ってください。
まれに接続が成功してもDNSの名前解決ができない場合があります。(curl https://1.1.1.1/
は接続できるけど curl http://example.com
はできないなど)
この際は、resolv.confにPublic DNSを追記してやると接続できるようになる場合があります。
sudo sh -c "echo nameserver 1.1.1.1 >> /etc/resolv.conf"
以上の方法でusb_switchを使う場合よりより安定してつながるようになりました。
もし、不具合が発生した場合は上記の手順をAT^SETMODE=0
に変更して行えば元に戻るはずです。